そのヘアケア、自分にあってるの?「キレイな髪を保つ方程式」から考えてみよう
「お気に入りのヘアスタイルでおしゃれを楽しみたい!」
きっと誰もがそんな思いで美容室に足を運んでいるのではないでしょうか。
美容室に通う頻度には個人差がありますが、月に1回か、2ヶ月に1回という方がほとんどです。そう考えると、1年のうち350日以上は自宅で髪のお手入れをすることになります。
以前の記事「【保存版】美髪の方程式」でお伝えしたことの復習になりますが、
キレイな髪を保つ方程式=
美容室での適切なケア × 正しいホームケア × 髪質にあったヘアケアアイテム
です。掛け算なので、どれか一つがゼロならばキレイな髪を保つのは難しくなります。
では、「正しいホームケア」や「髪質にあったヘアケアアイテム」とは一体どんなものなのでしょうか?
おそらく美容師のような髪のプロでない限り、この質問に答えられる方は少ないでしょう。学校で習ったりはしませんから、当たり前のことだと思います。
そこで今回の記事では、キレイな髪を保つ方程式の中から、「正しいホームケア」と「髪質にあったヘアケアアイテム」について深掘りしていきます。
どちらもただ一つの答えしかこの世に存在しない!というわけではありませんが、これまで2万5000人以上のお客様の髪に触れてきた美容師の立場から、「こうした方がいい」という傾向をお伝えできればと思います。
自己流でやりがちな「NGヘアケア」とは
良かれと思って行っているヘアケアが、実は髪に負荷をかけていることがあります。毎日のシャンプーやトリートメント、ドライヤーで「NGヘアケア」を続けていると、髪にダメージは蓄積するばかりです。
例えば、こんなヘアケアに心当たりはありませんか?
朝晩など、1日2回以上シャンプーをする
頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまい、皮膚のバリア機能の低下につながります。
シャンプーは1日1回で十分です。1日の汚れをリセットする夜に行いましょう。
頭皮をゴシゴシこするようにシャンプーする
強すぎる力でシャンプーをすると、頭皮に大きな負担をかけます。爪で傷が付くと匂いやフケの原因にも。
頭皮をもみほぐすように優しくマッサージするのがおすすめです。
洗った髪を自然乾燥させる
暑い時期はドライヤーが億劫になりますが、濡れている髪はダメージを受けやすい状態です。雑菌の繁殖もしやすくなります。
なるべく早めにドライヤーで乾かしましょう。しっかり乾かせばツヤが出てまとまりが良くなります。
髪の表面中心にドライヤーをする
頭皮までよく乾かさないと雑菌が繁殖しやすくなり、匂いや頭皮環境の悪化の元に。
頭皮に直角になるようにドライヤーの方向を変えて、地肌を乾かすように風を当てるのがポイントです。ドライヤーは髪から20〜30センチ離すと熱ダメージを少なくできます。
ワカメや昆布など海藻類をたくさん食べる
海藻類が直接髪に影響を与えることはありません。
髪の毛はタンパク質でできているため、肉や魚、豆腐、コラーゲンなどの方が良い影響を与えてくれます。
トリートメントを髪の根元にもつける
トリートメントは髪をしなやかにまとめやすくする役割。頭皮につくと刺激が強く、抜け毛を招く場合があります。
トリートメントは頭皮にはつけず、髪の中間から毛先にだけつけましょう。
ここでご紹介したのは一部ですが、「髪のためにしていたことが実は間違っていたの!?」と思う例もあったのではないでしょうか。キレイな髪を保ってお気に入りのヘアスタイルを楽しむためにも、まずは「正しいホームケア」を行う習慣を身につけましょう。
髪質にあったヘアケアアイテムとは?
次は「髪質にあったヘアケアアイテム」についてのお話です。これについても巷でよくある誤解があります。
最も多いのが「滑らかな指通りになるシャンプーやトリートメントは髪にあっている」という誤解です。洗った直後からツルツルとした触り心地になると、なんだか髪が素直になったような気がします。しかしこれは髪にあっている、というよりも、髪の表面を整えている、と言った方が適切です。
市販のシャンプーやトリートメントには、髪の指通りをよくするためにシリコン成分が配合されることが多いです。このシリコン成分の量が髪に必要な量を超えていたり、洗髪時のすすぎが足りない場合に、髪や地肌に残留し蓄積します。(これを「ビルドアップ」と言います)
すると最初の頃は指通りよく感じていた髪が、だんだんと「重たい質感」になったり、ベタつきやパサつきが気になるようになったり、うねりが出てきたりします。さらにビルドアップが進むと、パーマやカラーがかかりにくくなることもあります。
こうなると、今使っているシャンプーとトリートメントは「髪質にあっている」とは言えなくなります。
では、「髪質にあったヘアケアアイテムとは一体どんなもの?」という疑問が出てくると思います。これに関しては「一人ひとりの髪の状態や目的によって違う」が答えになります。
すでに髪のダメージが進行している人であれば、外側をツルツルにコーティングするよりも、髪の毛の内部をしっかり補修できるヘアケアアイテムの方が「髪の健康」という観点ではあっています。
反対に、ダメージヘアであっても「とにかく早く見た目が整えばよし!」という目的であれば、やはりシリコンのようなコーティング成分が含まれたアイテムの方があっています。
年齢を重ね質感が変わってきた髪を健やかに保ちたいのであれば、キューティクルの内部も外部も補修できる成分が含まれたヘアケアアイテムがあっていると言えます。
何を大事にして、どういう髪になりたいのか?によって、ヘアケアのアプローチは変わります。
「引き算」のヘアケア
ちなみに私たちがプロデュースしている「幾重シリーズ」が大切にしているのは「引き算のヘアケア」という考え方です。
お顔にメイクをする方は、1日の終わりにはメイクを落としてすっぴんになりますよね。ではなぜメイクを落とすのでしょうか?その方が長期的に見て肌に優しいと分かっているからですね。
私たちは、髪にも同じことが言えると考えています。「1日の終わりに“本来の姿にリセットする”ことが、長期的に見ると健やかな髪を保つ」という考えで、ヘアケアアイテムを開発しています。
ですから幾重シリーズは「素髪」になるヘアケアアイテムです。なるべく余計な成分を入れないように設計しているので、幾重よりもコーティング成分が多いシャンプー等を使っていた方が切り替えると、一時的に髪のゴワつきを感じる場合があります。それは、本来の髪質に戻っている最中のサインです。この状態をよしとするか、やっぱり嫌だと捉えるかはその方次第です。
私たちは「髪のオシャレを一生楽しめる環境を作りたい」と考えています。健康な「素髪」がベースにあってこそ、カラーやパーマなどの髪のオシャレを思い通りに楽しめるからです。この考え方に共感いただける方には、幾重は長く使っていただけると思います。
最後にもう一度、キレイな髪を保つ方程式を振り返ります。
キレイな髪を保つ方程式=
美容室での適切なケア × 正しいホームケア × 髪質にあったヘアケアアイテム
キレイな髪になるかどうかは、日頃からのホームケアで決まります。美容室を、傷んだ髪の応急処置のように使ってはもったいないです。
「髪の何を大事にして、どうなりたいですか?」
まずはこの問いに対して、自分なりの答えを見つけていただけると、その方にあったヘアケアに辿り着けるのではないかと思います。
髪の悩みを解決するプロ
ぐっさん
美容師歴:21年 担当人数:のべ25,000人
ディアローグコスメティクス 代表
プロフィール
個室型美容室「ディアローグ瑞江店」にて、年間2,000万の利益をあげた店長。現在は、美容師もしつつ、ヘアケア商品の開発、販売を行うディアローグコスメティクスの代表。